加齢とともに身体のあちらこちらに衰えを感じてくるのは仕方のないことですが、年をとっても健康で過ごしたいと思う気持ちは誰もが望むことでしょう。
ただ近年、いくら寿命が延びているとはいえ、病気で延命措置を受け寝たきりの生活で長生きをしている人が多いのも事実です。
2006年=男性79.0歳・女性85.8歳
2010年=男性79.6歳・女性86.4歳
・健康寿命
2006年=男性72.3歳・女性77.7歳
2010年=男性70.4歳・女性73.6歳
・最新の健康寿命は2016年で男性72.1歳・女性74.8歳
(2016年の平均寿命=男性80.9歳・女性87.1歳)
2019年は平均寿命が男性81.4歳・女性87.4歳です。
寿命が延びるのは喜ばしいことですが、日常に介護を必要としない生活でないと、生きていく楽しさも半減・・いや、それ以下になる可能性もあります。
この健康寿命が、高齢化社会の今後の日本を支えると言っても過言ではありません。
そこで健康というキーワードで数年前から注目されているのが、生カカオに含まれる抗酸化物質の効能です。
カカオといえばココアやチョコレートというイメージですよね。
これらの食品は数年前から「健康にいい」と言われるようになり、「チョコレート効果」という商品もになるほど、チョコに注目が集まっています。
それは、生カカオに含まれる抗酸化物質が他の食品に比べて桁違いに多かったことが研究でわかったからです。
カカオに関する論文は2000件以上も発表され、多くの研究でチョコレートは「長生きする薬用食品」という結果もあるそうです。
・心臓血管機能については約170件
・脳・神経機能については約60件
・減量・ダイエットについては約20件
・精神・情緒については多数
ただ実際に、生カカオの抗酸化物質をそのままチョコレートに詰め込んで販売しているところは
ほぼゼロです。
唯一、アメリカにあるビヨンド社のチョコレーが、世界が認める抗酸化物質豊富なヘルシーチョコレートとして販売しているぐらいです。
そこで、気になるカカオの抗酸化物質ってどのようなものなのか?
カカオポリフェノールは何が良くて、どのような効果があるのか?
どのようなチョコレートが良いのか?などを深掘りしてみました。
抗酸化物質とは?
健康にまつわる話は沢山ありますが、様々な研究で年齢と共に減っていくモノは、筋肉維持に必要な「アミノ酸」と「抗酸化」に関わる代謝物ということがわかっています。
アミノ酸はタンパク質などの栄養素ですが、抗酸化物質とは体内の活性酸素を除去する物質のことになります。
最近では抗酸化物質は「第7の栄養素」と言われ、積極的に摂取するように推奨されています。
体内の活性酸素とは
人間は、酸素と食べ物を取り入れ燃焼させエネルギーに変換させて生きています。
酸素は、人の身体にとって不可欠なモノで酸素がないと生きてはいけません。
そこで、身体機能を正常に保たてるために、人は必要以上の酸素を吸っています。
その時に、使われなかった酸素の約2%が毒となる活性酸素になります。
また、公害・紫外線・ストレスでも活性酸素が発生します。
この活性酸素は「酸素」という言葉が付くので「活性化された酸素」と考え、美味しい酸素のこと?強力な酸素のこと?と思っている人も多いようですが・・。
言葉とはイメージが付かないほど、身体にとって最強の悪になります。
活性酸素は体内で余った「いらない酸素」なので使い道がありません。
行き場を失った活性酸素はどこかに接着しようと体内を駆け巡り、人体形成に大切な細胞などを傷つけてしまいます。
活性酸素が体内で増えるたびに、傷つく細胞も増え続けていきます。
細胞が傷つく量が増えると、本来持つDNAが違う形に変換させられたり、老化が早まりガンや生活習慣病になってしまいます。
これらを「身体が酸化する」とか「身体が錆びる」といいます。
例えば、酸化で目に見えてわかることでは、切ったリンゴの断面が変色する・古い油の悪臭・肉や魚の変色・鉄や釘の錆びなど、これらは全て酸化によって起こることで、体内の中も活性酸素が増えることで、このように酸化していくのです。
だから、なるべく活性酸素を増やさないようにする必要があるのです。
抗酸化物質とは
体内の活性酸素を除去して身体の酸化を防いだり、被害を受けた細胞の修復に役立っているのが「抗酸化物質」になります。
ただ、20歳までの身体には活性酸素を片付けてくれる抗酸化機能が備わっています。だから、20歳までは老化ではなく成長という形で進化していきます。
しかし20歳を過ぎると活性酸素をやっつける抗酸化機能が減っていきます。
そこで、加齢とともに抗酸化物質を補給する必要があります。
このように健康寿命のカギを握るのは、体内の活性酸素を取り除く抗酸化物質を補うことが重要視されています。
抗酸化物質はどのように摂取する?
全ての植物には抗酸化物質が入っていて、これをしっかり摂るか摂らないかで老化のスピードが変わってきます。
また、抗酸化物質の中でも群を抜いているのが「植物のポリフェノール成分」です。
このポリフェノールは、老化を防いだり心血管疾患リスクの低下や、健康寿命を延ばすということが多くの研究でわかってきています。
抗酸化物質が多く入っているものは緑黄色野菜や果物に多いので、野菜や果物を積極的に摂ることが必要ですが、日本の食物では抗酸化物質の摂取量は少ないと言われています。
そこで、大量の野菜や果物を食べるには限界がありますが、サプリメントを上手に活用することで抗酸化物質を多く取り入れることができます。
抗酸化物質のサプリメント
アメリカは、肥満体国と呼ばれ病気になりやすいと思われています。また、病院代は高く日本のような国の健康保険制度などはありません。
だから健康には非常に気を遣い1980年以降にサプリメントが登場し、様々なサプリメントが研究され開発されています。
抗酸化物質のサプリメントを上手に利用すれば、活性酸素を除去して健康を維持しやすくなりますが、サプリメントには落とし穴がいくつもあり、抗酸化物質のサプリメントと謳っても、含有量が微々たるものも沢山あります。
そこで、世界基準の認定があるモノが最も信用できるサプリメントとされ、世界では「コーシャ認定」や「ORAC値」などが表記されたものが安心安全な食品マークとされています。
抗酸化物質を測るORAC法
ORAC法とは、アメリカの国立老化研究所と米国農務省の科学者によって開発されたORACテストで、食品の抗酸化物質の含有量を測定します。
抗酸化物質の指標(単位)をORAC(オーラック)といい、例えばオーラックが1あれば、活性酸素1を除去できるということになります。成人一人当たりのオーラックの摂取目標は約4600です。
アメリカではすでにオーラックが表示されたサプリや飲料が市販されていて、健康に気遣う人々の購入ベースにもなっています。
抗酸化物質が高い食品を下記の表でまとめてみると、カカオがダントツでORAC値が高いのがわかります。
カカオポリフェノールの凄さ!
カカオはマヤ文明から発見され、当時の人々がカカオを栽培していた記録が残っています。
その当時、カカオの種は位の高い人しか飲めない「ショコラトル」という贅沢品で通貨の価値を持つほどでした。
その他には戦闘部隊が強壮剤として飲んだり、不治の病の人は万能薬として飲まれていました。
このようにマヤ文明からカカオがあったことはわかっていましたが、このカカオがズバ抜けて抗酸化作用が高いポリフェノールを多く含む植物と分かったのは、今から約20年ほど前と比較的最近なのです。
世界の長寿者がチョコレートを好んでよく食べていたことがわかり、カカオポリフェノールの研究が盛んにおこなわれるようになりました。
カカオポリフェノールに関する研究報告では、・脳(ドーパミンなどの神経系作用)・炎症作用・酸化抑制作用があり、・膵臓・肝臓・脂肪・血管・歯・胃・心臓・筋肉と、様々な健康効果が報告され医学的にも認められています。
また、塩分摂取量が多い伝統食を食べる海外のクナ島民では、カカオの実を食べることも知られていて、塩分摂取が多いにもかかわらず、血圧が低く心臓病や脳卒中・がんなどの発症率が低いこともわかっています。
http://www.chocolate-cocoa.com/symposium/pdf/sympo_20e.pdfカカオポリフェノールを摂取すると
カカオポリフェノールには、
・ドーパミンが増えることで、精神的にも肉体的にも活動的になる
(現在の人間が病気になる原因は、20%がストレス)
・抗炎症作用
傷の治りを早くする効果があります。(口内炎などの治りが早い)
現在では外傷などで救急搬送されると、栄養補給にチョコレートが使われている。
・血圧が低下する
高血圧の人の方が血圧低下量が大きいことがわかっているので、高血圧の人にはおすすめ
・コレステロール(悪玉・善玉)のバランスを保つ効果がある
・酸化を抑制する効果がある
他にも肥満抑制効果・動脈硬化予防効果や抗アレルギー作用・アンチエイジングにまで幅広く効果がある事がわかっています。
抗酸化物質が高いカカオチョコレートの見極め方
カカオは強酸性植物なので、苦味・酸味・エグ味がなどのクセがありすぎて、とてもじゃないけど、そのままでは食べられません。
そこで、カカオを食べれるようにするために、ココアやチョコレートが生まれたのです。
カカオといえばチョコレートで、最近では70%や85%など数字が書かれた高カカオチョコレートも販売されています。
このようなチョコレートが販売されるようになったのも、抗酸化作用が高い食品であることがわかったからです。
ただ、このように日本で市販されているチョコは大量に食べても、ポリフェノールはほぼありません。
それはなぜか?
日本のチョコレートの作り方は、ほとんど「ダッチング製法」で作られます。
まずカカオの脂は酸性なのでそのままで食べても美味しくありません。そこで、アンモニアなどに浸けられアルカリ性に変化させます。この時点で、酸性の抗酸化物質は死滅します。
その後、130度の高温でカカオを煎るので、ほぼすべての抗酸化物質は死滅してしまいます。
高温で焼かれたカカオはただの焼けカスなので、95%カカオ配合のチョコレートといわれても、抗酸化物質はほとんど入っていないことになります。
高熱処理とアルカリ処理をすることによって、大切なポリフェノールがなくなってしまうのです。
またチョコレートは、カカオバターが入っていないとチョコと呼べません。
ですが、世の中にある油の中でカカオバターだけが人の皮膚温度で溶ける(融点が人の肌温度)高級素材なので高価な植物油になります。
だから通常のチョコレートは、高額なカカオバターはほんの数量だけ使用し、後は砂糖と植物性油脂(パームヤシ油)でできています。
植物性油脂(パームヤシ油)には、大量のトランス脂肪酸(人体に悪い油)が含まれていますので、いくらカカオは体に良いと言っても植物性油脂や砂糖を大量に使用していれば、全く体にいいとは言えませんよね。
WHOも、トランス脂肪酸による健康被害のリスクが高いことで、2023年までに世界中のすべての食品から人口トランス脂肪酸を無くすことを掲げています。
だから、世界ではトランス脂肪酸が○mℓ以上入っている食品は販売してはいけないと定められていたり、使用禁止になっています。
このように世界中がトランス脂肪酸の使用を禁止したり、表示を義務付けしているにもかかわらず、日本では表示義務すらなく特に何も規制されていません。
このことからもわかるように、日本産・日本の製品だから安心安全という考えは、とっくに終わっている事がわかりますよね。
日本の大手メーカーだから大丈夫ではないのです。
安心や安全は、日本基準ではなく世界基準で見ることが必要になっています。
抗酸化物質が高いチョコレートとは?
なるべく高カカオで、人工的な甘味料が入っていないチョコレートがおすすめです。
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ヨーグルトにかけて食べると美味しさがわかります。
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カカオで酸化しない身体に
以前、愛媛県のブリ養殖場がカカオ(チョコ)を餌に混ぜて育てるという方法が話題になりました。
ブリは、切り身にすると鮮度の落ちが早く長距離の輸送は難しいと言われる「足が早い魚」です。
そこで、抗酸化作用があるみかんの皮を餌に混ぜて育てると長持ちすることがわかり、ミカンよりもっと抗酸化作用が高い植物を求めた結果、カカオに辿り着きました。
カカオを混ぜたエサを与えることで鮮度の良い状態が長くなり、切り身にしても酸化しにくいことがわかったので、特許を申請して販売となりました。
このことからもわかるように、これを人に置き換えると・・
例えば5年間、カカオを食べると、抗酸化された細胞になり腐りにくく鮮度が良くなる・・(笑)。
すなわち体内が抗酸化されるので丈夫になり、ストレス軽減になり医者にかからなくなる!ということですね。
最後に
みなさん、一度は食べたことがあるチョコレート。
でも、スーパーなどで販売されているチョコレートはお菓子なので、カカオが多く・・抗酸化作用が高く・・とは、お世辞でも言えません。
カカオポリフェノールの効果を感じたいと思うなら、本物のカカオチョコレートを食べるに限るですね。